今はご家族の死と向き合うのが苦しいという場合は、無理をして読まれませんように。
「最期は住み慣れた自宅で、家族との時間を大切にして過ごしたい。」
厚生労働省の「平成30年度 人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」によると、国民のおおよそ7割の方は自宅での最期を望んでいます。
さて、ご本人の思いを大切に、ご家族の協力を経て在宅介護の環境も整え、自宅で最期を迎えられたとしても、息をひきとった後の連絡先を誤ると大きな悔いを残すことになってしまいます。
救急車を呼ぶのと、かかりつけ医に連絡するのでは大きな違いがあるのです。
予期されている状況でご本人が亡くなられたときは、救急ではなくかかりつけ医に連絡することをおすすめします。
この記事では望む最期を迎えるために、事前に知っておくべきこと、ご本人と話し合っておくべきことをお伝えします。
亡くなったときはどこに連絡する?
いつかはこんな時が来てしまうと前々から分かっていても、大切なご家族が息をひきとった時、多くの方は動揺してしまいます。
その方が大切な人であればあるほど、それが当然ではないでしょうか?
いざという時に落ち着いて行動できるよう、亡くなった後の手順を考えておくことが大切です。
それでは、亡くなった後、どこに連絡すればいいのでしょうか?
かかりつけ医に連絡する
普段から訪問診療を受けているなど、かかりつけ医がいる場合は迷わずかかりつけ医に連絡しましょう。
ご本人が亡くなった際に担当医が立ち会っていなくても、亡くなる前の24時間以内に診察を受けており、持病により亡くなったと判断された場合には「死亡診断書」を交付してもらえるからです。
また、最後の診察から24時間経っていたとしても、ふたたび担当医が自宅に来てくれて持病により亡くなったと確認されると、同様に「死亡診断書」の交付を受けることができます。
この方法だと、普段から家に通って顔を合わせていた医師や看護師に連絡するので、気持ちを察してくださるでしょう。
お世話になった方にお礼を伝え、和やかな最期とすることができます。
今は元気に一人で通院できているという方も、将来のことを見据えてかかりつけ医を選択しておくのも一案です。
最近は訪問診療をおこなう診療所が増えていますし、病院でも訪問診療に対応するところもあります。
ご本人とご家族で地域の病院情報を共有し、現状のかたちがベストなのか一度確認しておくことをおすすめします。
救急車を呼ぶ
では、救急車を呼んだ場合はどうなるでしょうか?
救急車が到着し、救急隊により蘇生の可能性があると判断されると、救命措置がおこなわれます。
このとき、場合によっては心肺蘇生のために肋骨が折れてしまうこともあるのです。
その後、病院に到着すると様々な処置が施されます。
こうなると、ご本人の「最期は穏やかに自宅で」との望みは叶わないことになってしまいます。
警察を呼ぶ
さらに、死亡が明らかなときには、救急車を呼んでも病院に運ばれることはありません。
救急隊もしくはご家族から直接警察に連絡がいくと、次のような流れとなります。
ご家族は事情聴取を受け、現場検証も行われます。
いろんな思いを乗り越えて介護してきた最後の最後なのに、ご本人への思いに浸ることもできません。
警察から様々な事情を聴かれて嫌な思いをされるかもしれませんが、事件性の有無を確認するためなので、できるだけ正確に事実を伝えましょう。
ご本人のご遺体は検視、検案がおこなわれ、場合によっては解剖されることとなってしまいます。その後、「死体検案書」が発行されます。
遺体に触らない
さらに、ご自宅で亡くなっている場合、注意しなくてはいけないことがあります。
ご遺体を動かしてはいけないということです。
要らぬ疑いをかけられてしまう恐れがあるからです。
特に浴室やトイレで亡くなっていた場合、ご家族としては「服を着せてあげたい」「布団に寝かせてあげたい」と思いますが、触れないように気をつけましょう。
まとめ
この記事では、自宅療養している方がご自宅で亡くなったときの連絡先とそれぞれの違いについて解説しました。
・救急車を呼ぶ
・警察を呼ぶ
いろんなことを乗り越えて迎えるご家族の最期、あなたはどのように見送りたいですか?
「こんなはずではなかった」と後悔することのないように、丁寧に考えておきましょう。
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